(訳文) MIFA活動報告;私の体験(2009-2010) アリ・ザイディ (東京医科歯科大学) |
2008年10月に来日した当時は、できる限り新しい文化に触れ、様々な体験をしてみたいという気持ちが溢れていました。私は東京医科歯科大学博士課程で糖尿病の遺伝子診断治療を研究しています。世界屈指の施設を誇るトップクラスの教育機関で、日本政府奨学金や民間基金をもらいながら研究や文化活動に専念できることを感謝しています。
私が日本文化に触れ、日本のみなさんと交流できるのはMIFAという存在のおかげです。そしてMIFAを支援するJASSOと中島財団にお礼を述べたいと思います。
MIFAでは世代を超えたボランティアが留学生のために貴重な時間を割いて、イベントを運営してくれています。活動には施設見学などに出かけるものや、室内で行うものがありますが、どれも役に立ち興味深いです。
私が最初に参加したのは鎌倉(座禅体験)ツアーでした。とても楽しかったので、その後も、江戸東京博物館見学と大相撲観戦、浜離宮散策と浅草墨田川周遊、ゆかたを着て自由が丘へ神社参拝、ホームビジット、料理交流に参加しました。
MIFAの素晴らしさは、チームがイベントを綿密に計画し、随所にきめ細かな配慮がなされている点です。イベントは、ただ楽しむだけでなく学びの場でもあります。解説文も配布されるので、後でインターネット検索の手引きとして役立ちます。
MIFAの活動のなかでもとりわけ特に気に入ったのは、留学生による発表です。留学生は日本人聴衆に向け自国の文化を発信し、日本についての印象を話すことができます。私は7月に発表し日本社会の良い点、そして大好きな和食文化について自分の意見を述べました。
発表を体験して気づいたのは、日本人とface-to-faceの関係を構築できることでした。そこで留学生仲間に呼びかけ、3回の発表をお膳立てしました。もちろん2011年も協力するつもりです。
まだ日本語に不安がありますが、大勢の日本人を前に発表したおかげで、ずいぶん自信がつきました。さらに、私の体験を知った大学関係者を通して、新潟県長岡市での講演が実現しました。海外事情を提供できる外国人留学生を探しているJICA関係者と知り合うきっかけにもなりました。発表という体験が、大勢の人とのつながりに広がったのです。
厳しい経済状況下にある今日では、周到な企画により費用を抑えた活動を実行することが望まれます。MIFAは留学生に日本理解の促進、歴史への関心喚起、そして日本語能力の向上いう分野において、支援を続けることができるでしょう。
大学では盛んに日本語教育が行われていますが、文化や歴史との接点がない限り効果は期待できません。目黒区には著名な大学に多くの留学生が在籍しており、MIFAはまさに類を見ない組織であるといっても過言ではありません。大勢の留学生がMIFAに参加し、多くを得てほしいと願っています。留学生と日本人の相互理解の架け橋となるMIFAの発展を祈念いたします。
最後に、MIFAには留学生以外の外国人も参加できるメニューが数多く用意されていることを書き添えておきます。すそ野の広さがMIFAの価値を高めているのです。私は特に、日本語会話サロンを推薦します。なぜなら、留学生のように大学のような教育施設で勉強できない外国人はMIFAで日本語を習得できるからです。