─マダガスカルではどれくらい日本について知られているのでしょうか?
高村:マダガスカルでは日本のアニメ、音楽、ドラマに触れたり、武道(特に剣道)を学ぶ人たちもいます。年に1、2回日本祭りが開催されますが、ここにも多くの市民が集います。そしてなんと、マダガスカルの日本語学習者数はアフリカで2番目に多いのです!私が活動をしていた国立アンタナナリボ大学には、日本語を学ぶコースがあり、総勢120名の学生の指導にあたっていました。
─高村さんは、日本でも日本語教師のお仕事をされていましたが、マダガスカルでの日本語指導と違いや発見はありましたか?
高村:日本では在留資格を得るために日本語学校に通う人も少なからずいるので、授業に対する意欲はマダガスカルの学生の方が高いと感じました。また、日本では指導教材が豊富にありますが、マダガスカルでは少ない教材で教える必要がありました。大学で初めて日本語を学ぶので、極めて初級者が多かったです。そんな中にも日本語能力試験やスピーチコンテストに励んだりと、学生たちはとても熱心なので日々やりがいを感じていました。
高村:しかし、2020年3月、マダガスカルでもコロナウイルスがまん延し、緊急帰国を余儀なくされました。学生たちにちゃんとお別れを言うこともできず、半ば夜逃げのような感じでした。帰国後は不完全燃焼な気持ちで過ごしていましたが、半年ほどするとオンラインで授業が再開できることになりました。時差もありましたが、再び学生たちと会話ができて嬉しかったです。パソコンの画面越しでも学生たちは真剣に学んでいて、授業中に寝るような人は一人もいませんでした。
─青年海外協力隊(JOCV)の活動終了後はJICA中国に就職されたそうですね。現在はどんなことをしているのですか?
高村:国際協力の現場で活躍するJOCVに対し、JICAスタッフはそれを後押しする役割を担っています。私は開発途上国への技術協力のうち、海外からの研修員を受け入れる業務に携わっています。私の勤務するJICA中国は広島県東広島市にあり、他拠点に比べ、平和構築や教育に力を入れていたり、排水処理・廃棄物処理の技術研修の技術研修に強みがあります。こうした技術を広島で学び、本国へ戻った研修員の方々から良い報告などをもらうとやりがいを感じます。
─日本国内でも様々な形での国際協力ができるのですね。多岐に渡るテーマでのお話をありがとうございました。
大学時代にNYで開催された国連セミナーに参加したことをきっかけに、将来は国際協力の分野で働きたいと思うようになる。 卒業後はホテル勤務、日本語教師の経験を経て、青年海外協力隊(2018年度4次隊)としてマダガスカルへ派遣される。現地の国立大学にて日本語教育に従事。現在はJICA中国にて、主に開発途上国から選抜された政府関係者向けの研修業務を担当している。
日時 | 2023年3月26日(日)13:00-15:00 |
内容 | ・発表(マダガスカル文化、JICAのお仕事・青年海外協力隊の活動、日本語教育) ・交流会 |
参加 | 20名 |
参加者の声 | ・非常にわかりやすく、楽しいイベントでした。 ・実際にマダガスカルで活動されていた方の実体験を聞く事が出来、とてもよかったです。写真も何枚も使って説明されていたので、とてもわかりやすかったです。 ・お話を聞くだけでなく、住んでいた方ならではの写真やクイズ等もあったのが楽しかったです。 ・クイズなどを取り入れて頂いているので子供たちも最後まで飽きずに興味を持って聞く事ができました。 |
2